【DraftSight-D6】作成 スケッチ
作成
スケッチ(コマンド:Sketch)
スケッチは図面内にフリーハンドの線分を描きます。フリーハンドなのでカーソールを動かした通りの線が描けますが、他のペイントソフトとは少し手法が異なります。コマンドを実行するとコマンドウィンドウは下記の様になります。
最初に「記録の増分を指定」となります。一般的にCADソフトの場合、円や円弧であっても直線で描かれています。円や円弧を綺麗に表示するには直線の長さを出来るだけ短く、「点」になる位に短くすれば良いのですが短くする分、円としての要素の数が多くなってしまいます。
少し話が逸れますが、コマンドで「DISPLAYQUALITY」と入力して実行すると高速ズームの設定になります。有効な値の範囲「1~20000」で数値を指定しますが、値が大きいほど円や円弧が綺麗に表示されます。ただしあまり大きい数値だと図面再構築等の際に時間が掛かる様になってしまいます。上記は数値を最小の「1」として円を作図している様子です。円がポリゴンの様に表示されています。ただし円を描き終えれば、滑らかな円に補完されて表示されます。滑らかに表示されない場合は「Rebuild」あるいは「RebuildAll」で再構築を行います。
図面の内容にもよりますが、今時のPCであれば「DISPLAYQUALITY」の数値を小さくする必要も無いと思います。
今回のスケッチの場合の「記録の増分」も直線の長さで、短いほど綺麗な線になります。長いとカクカクした線になりますが、円や円弧と違って補完された線にもなりません。
上記の上側の線は記録の増分で「5」、下側は「20」を指定しています。フリーハンドで適当に線を描いても、描かれる線は指定した数値長さの直線の組み合わせで描かれます。数値は目安で正確に「5」や「20」の長さにはならない様です。フリーハンドで描きたい内容と見た目から数値を決める事になると思います。「記録の増分」で数値を指定した後は下記の様なコマンドウィンドウになります。
他のペイントソフトやCADソフトでもフリーハンドで線などを描く場合、マウスをクリックしている間だけ線が描かれる場合が多いと思います。DraftSightの場合は一度クリックを行うと「ペンダウン」、もう一度クリックすると「ペンアップ」という動作になり、ペンダウンの状態の時に線が描かれます。昔のペン式プロッターの様な動作です(歳が・・・)。
上記の様に「位置を指定」の時にクリックでペンダウンとペンアップが可能です。繰り返す事で別々のフリーハンドによる線が描けます。また「消去(E)」「接続(C)」「ペン(P)」「中止(Q)」「記録(R)」というオプションがあります。先に記録(R)から説明します。
記録(R)
スケッチコマンドによる線は先の「ペンダウン」「ペンアップ」を繰り返して描きますが、この時点では一時的な仮の線です。コマンドで記録(あるいはエンターキー)を行う事でそれまでの線が確定されます。
消去(E)
消去は上記の記録を行う前で、直前の線を消します。消去のコマンドを実行するとコマンドウィンドウに「消去」と表示され、現在消去モードである事になります。実際に線を消すには、線を描いた順序でカーソールをその線をなぞる様に移動させるか、消したい範囲の位置までカーソールを移動させます。線の途中を消す事は出来ず、直前の線からさかのぼる形で消していきます。
上記2つの図はgifアニメになっています。線を消したい範囲まで移動させて左クリックを行うと、その範囲の線が消えます。ただしペンアップの時に行う必要があるのですが、ペンダウンの時でも消去コマンドは実行出来てしまいます。そのままカーソールを動かしても引き続き線は描かれますが、その後のペンアップ、ペンダウンの挙動がちょっと変です。
接続(C)
接続は一度ペンアップで終了した線の終了点から再び線を描きます。接続のコマンドを実行して直前の線の終了点付近にカーソールを動かすと自動的に繋がります。接続もペンダウンの時に実行出来てしまいますが、こちらは無効であると表示されます。ただしやはり挙動が?
ペン(P)
ペンはマウスのクリックによるペンダウン、ペンアップと同じ機能です。コマンドを実行する度にペンダウン、ペンアップをそれぞれの状態から行います。
中止(Q)
中止はそれまで描いた、一時的な線を取り消して消去します。またコマンドウィンドウに「何も記録されていません」と表示され、スケッチコマンド自体も終了します。記録で確定された線は消えません。
終了(X)
スケッチで線を描き、記録や消去を行っていくと「終了(X)」というオプションが出てきました。
ヘルプでは「一時的なセグメントを記録しコマンドを終了します」とあります。終了が有効なのは線をペンダウンで描いている時、あるいはペンアップとした時の様で、終了のコマンドを実行するとオプションキーワード「ペンアップ」が必要と表示され、エンターキーを押すとそれまでの線が記録されてスケッチコマンドが終了します。ペンアップの状態でももう一度ペンアップのコマンドが実行される形です。
ただし直前に消去を行った場合は、記録されていない線があっても記録はされずに消えてしまいます。「中止」と同じ結果です。
その他
もう少し簡単に描けると思ったのですがちょっと戸惑う点がありますね。また描いた線は「記録の増分」での長さ毎のエンティティになっていて、繋がっている線であっても1つのエンティティではありません。さらに「記録の増分」の数値を大きくするとペンダウンを行ってから実際に線が描かれるまでに、カーソールをかなり動かす必要がありました。図面尺度との関係もありますが、ペンダウンの位置と実際の線の始まりが全然違う位置になってしまいます。A3、A4の原寸程度であれば「記録の増分」は「5」くらいが限度の様な気がします。が、そもそも私はスケッチを使うシーンもありませんでした。